2011/03/24

松原智子展始まりました。

松原智子さんの展示の様子をご紹介します。

写真は、19日(土)に行われたオープニングパーティーの様子です。
パーティー中には、作家さんに作品解説をしていただきました。

松原さんの作品の中には小さな丸がたくさん描かれています。この丸は、地層の一部や星など具体的なものを表現しつつも、実はひとつひとつが生命を表現していて、それが無数に増殖していく様子が作品に描かれています。


作品解説の中では、自分が描くテーマと画材の関係のお話も。
DM作品を見ていただけるとよくわかりますが、松原さんの作品には箔が使われいます。この箔、実は金箔を利用しているのではなく、銀箔を化学反応で腐食させてこのような不思議な色合いを出しています。
実際ご覧になっていただくとわかりますが、均一な色合いではなく、玉虫色のように光に当たると微妙な色合いを見せてくれるのは、そのためです。
今はドーサ液によって腐食は止められていますが、腐食を完全に止める事はできず、すごくゆっくりではありますが少しづつ絵は変わり続け、何百年、何千年後…いつかは真っ黒になってそして無くなってしまう事でしょう。
少しづつ変化していく作品が、生命を描く松原さんの作品テーマに合致していてとても興味深いお話でした。

また、この画像の後ろにある今回一番大きい作品では、一見同じ黒に見えるけれども、場所によって別の画材を使いわけて表現した理由などをお話しいただきました。
作品のテーマと、画材の使い分けが、日本画材を扱う作家さんならではの繊細な視点だなと感じました。







↓2階は、少し前に描かれた家のシリーズの作品と鉛筆の作品。
鉛筆の作品は、松原さんの作品の核となる形。螺旋や、丸がもっとストレートに見る事ができます。こちらも細かく見応えのある作品です。

写真は、搬入中。配置に悩む作家さん。



松原智子さんの展覧会 は、今週末まで。25日(金)、26日(土)、27日(日)11:00-19:00まで。

写真ではお伝えできない魅力がいっぱいの作品です。
是非お越しになってご覧ください。

吉田 葵